相続時の基礎知識
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相続の前に知っておきたいことinheritance
不動産を含む相続をするにあたっては、専門的な知識が必要です。相続税は、1人につき1回しか発生しない税金ですが、その額は極めて大きく、無視できません。家族間のトラブルも年々増えており、相続争いの8割近くが遺産5,000万円以下の「普通の家庭」で起きています。そのためほとんどのケースで専門家の力を借りることとなりますが、相続をする・受けるご本人も基本的な知識を持っておくことが大切です。
そこでこちらでは、筑紫野・太宰府・大野城で不動産売却をおこなう株式会社 エスポートが、相続時の基礎知識をご紹介します。弊社では常に丁寧なご説明を心がけておりますが、わかりにくい点や疑問点がありましたら、お気兼ねなくおたずねください。
こんなお悩みはありませんか?
- 親が亡くなり、実家を相続したが誰も住む予定がない
- 相続した実家が遠方にあり、空き家のままになっている
- 相続した実家の管理ができていない
- 兄妹で相続した不動産を、次の代まで残したくない
- 相続した実家や土地を活用できないだろうか
- 相続した不動産を売り出しているがなかなか売れない
- 毎年の固定資産税や管理費が負担になっている
このようなお悩みをお持ちなら、一度弊社までご相談ください。弊社は不動産相続の実績が豊富です。それぞれのケースに応じた解決方法をご提案いたします。
不動産相続の流れ・注意点
不動産の相続は、以下のような手順で進めていきます。併せて、スムーズな相続を可能にするために注意すべきこともご紹介します。ご不明な点がありましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。
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STEP1
誰が不動産を相続するかを決める
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土地・建物など不動産の相続が発生したとき、まず初めに必要となるのが「誰が相続するか」を決めることです。相続人が1人しかいない場合、あるいは遺言で相続人を指定している場合以外は、相続人全員で話し合う「遺産分割協議」をおこないます。
相続した不動産は、相続人全員で共有する「遺産共有」も可能ではあります。しかしその不動産を活用したり処分したりするときには、全員の同意が必要です。また、共有者の誰かが亡くなるとさらに相続人が増えトラブルにつながるリスクが増すため、共有は避けたほうがよいでしょう。
また、不動産は現金と違って複数の相続人で均等に分けられないため、相続した人がしなかった人に対し金銭を支払って清算する「代償分割」という方法もあります。ほかにも、その不動産を売却して現金化して分ける「換価分割」を選択することも可能です。
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STEP2
相続人が決まったら遺産分割協議書を作る
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遺産分割協議の結果遺産の分け方が決まったら、「遺産分割協議書」を作成します。このときには以下の点に注意しましょう。
- 協議書の形式は問わないが、相続人全員の署名と、実印による押印が必要
- 法務局で相続登記手続きがスムーズに進むよう、「相続人全員で協議した」旨を入れる
- 不動産を特定するための記載は、登記簿謄本(登記事項証明書)を元に正しくおこなう
- 各相続人の印鑑証明書を添付する(登記手続きの際に必要)
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STEP3
相続登記をする
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「遺産分割協議書」が完成したら、法務局で不動産の名義変更をする「相続登記」をおこないます。法務局では、作成した登記申請書に以下の書類を添付して提出します。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
- 被相続人の住民票(除票)
- 相続人全員の印鑑証明書
- 所有者となる相続人の住民票
- 不動産の固定資産評価証明書
令和6年4月1日より、相続登記が義務化され、遺産分割が成立した日から3年以内に行う必要があります。義務に違反した場合は過料の適用対象となります。さらに時間を置きすぎると相続人が増えていき、いざ売却や活用をしようとしたときに全員の意思を集めることも難しくなるでしょう。
置きすぎてしまったことで、相続登記ができなくなってしまうケースも少なくありません。さらに必要な書類の数が増えたり費用が発生したりする場合もありますので、早めの手続きが大切だといえるでしょう。
Pick Up! 相続税が3倍変わってくるケース
相続対策に最適と言われる4ステップとして、「現状分析」→「遺産分割対策」→「評価の引き下げ対策」→「生前贈与対策」があります。なぜこの順番が重要なのか、具体的な事例を通じてご紹介いたします。
遺産分割対策の前に生前贈与対策を行った場合の例です。お母さん、長男、次男の3人のご家族がいらっしゃいます。お母さんは土地1億円と預金1億円、合計2億円の財産を所有しており、長男はお母さんと別居、次男はお母さんと同居されていました。この状況で、「不平等にならないように同じ金額を生前贈与する」と考え、遺産分割を決める前に生前贈与を行いました。
結果として、お母さんは長男と次男にそれぞれ2,500万円ずつ贈与しました。その後、相続が発生し、1億円あった預金は5,000万円に減少、お母さんの亡くなった時点での財産は、土地1億円と預金5,000万円、合計1億5,000万円となりました。
しかし残りの1億5,000万円の分け方により、相続税の取り扱いに大きな差が生じ、相続税の負担が大きく変わるのです。
次男が自宅を相続する場合
次男が同居している1億円の土地を相続すると、「小規模宅地等の特例」を利用でき、土地の評価額は80%減の2,000万円になります。預金5,000万円を合わせた財産の総額7,000万円となり、相続税額は320万円で済みます。しかし、この場合、次男は生前贈与分を含めて1億2,500万円を受け取り、長男は7,500万円の現金しか相続しないため、不公平が生じます。
全財産を平等に分けた場合
土地1億円と預金5,000万円を完全に平等に分けたとします。この場合、次男が相続する土地5,000万円分については特例が適用され、評価額は1,000万円になります。一方で、長男が相続する土地5,000万円分には特例が適用されず、その評価額は5,000万円のままです。結果として、土地の評価額は6,000万円、預金5,000万円を合わせた財産の総額は1億1,000万円となり、相続税額は960万円に増加します。
このように相続税の負担が320万円から960万円へと約3倍になってしまいます。この事態を避けるには、まず遺産分割対策を行い、次男には土地を、長男には預金を相続させる方針を固めておくことが重要です。その上で生前贈与対策を検討すれば、税金面で有利な形にでき、不公平感も軽減できます。つまり、「遺産分割対策を先に行い、その後に生前贈与対策を行う」という順番を守ることが大切です。※本原稿は『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】』の一部抜粋・追加加筆を行ったものです