防犯性の高いマンションの投資効果と確認点
今や空き巣の手口が高度になっていたり、男性のストーカー被害も当たり前になっていたりと、犯罪被害の対象に男女差は関係なくなっています。そのため防犯性の高い住まいへの需要は女性ばかりでなく、男性にも高くなっています。
この状況を踏まえると、不動産投資を考える際に、「物件の防犯性の高さ」は優先度の高い検討要素だと言えます。特に、一般的に防犯設備が充実していると認識されているマンションについて、防犯性が高い物件の見方や具体的な設備を改めて確認していきましょう。
物件の防犯性と賃貸経営のリスクについて
住まい選びの際には、家賃予算や交通利便性、周辺環境の好みなどいくつもの条件がある中で、「防犯性の高さ」は最上位には上がらないかもしれません。でも、おそらく軽視する人もなかなかいないと思われます。
例えば、「家賃は予算内、立地も気に入った、でもオートロックじゃないから見送ろう」などという状況は、よくあることではないでしょうか。このように住まい探しをする立場で考えると、最優先の条件ではないのに、借りるか借りないかを決める重要なポイントに「防犯性の高さ」があるということがうかがえます。
自宅は、最も安心できて最もくつろげる場所でなければなりません。入居者はそれを求めているのですから、オーナーはその要求を満たす住まいを提供することで、空室リスクを減らすことができます。つまり「防犯性の高い」物件は貸主・借主双方にメリットがあると言えるわけです。
反対に防犯面が心配、あるいは防犯対策が積極的に施されていない物件は、入居を避けられる可能性が高くなってしまうということです。ところが防犯性が低い物件のデメリットはこれだけではありません。もしも、賃貸している物件に空き巣や強盗が入ったらどうなるでしょうか。その借主は同じ目に遭いたくないと思い、転居してしまう可能性がとても高くなります。さらに新たな入居者が現れる可能性も低くなるかもしれません。
犯罪種類が空き巣の場合、貸主側は借主に対して事件履歴の告知義務はありません。しかし、情報が氾濫する現代にあっては、何かしらのルートで借主が知ることは想像できます。そのときに、例え軽微な空き巣被害だったとしても、あえて犯罪被害に遭った住まいを選ぶ人は少なくなるでしょう。こうして一度犯罪被害を受けてしまうと、その後の賃貸経営に少なからずマイナスが生じることは確かです。
このリスクを生じさせないためには、投資物件の購入の際には、防犯性が高い物件を選び、住戸に積極的な防犯対策を施すことが必要でしょう。次項以降で、マンションでの具体的な防犯面の確認ポイントを見ていきます。
外観から見る防犯ポイント
まず、マンションを外から見て確認できるポイントです。
【侵入経路になる箇所がないか】
例えば、塀と建物の距離が近すぎると、塀をよじ登って直接住戸のベランダなどに侵入される可能性があります。また、マンション外部にパイプなどの足を掛けやすい物がないかも、チェックしましょう。
実際に、パイプや排気口のフードなどを足場にしてよじ登り、上階のベランダに侵入する事件が発生しています。そのため、3階以上の場合も外壁側からの侵入はないと思い込まず、侵入ルートに利用される可能性がないか、塀や建物周りの様子を確認しましょう。
【周囲からの目を意識する】
大通りに面しているマンションならば、通行人の目が多く、それだけで不審者にとって不都合なことがたくさん考えられます。マンションに侵入するために付近で身を隠そうとしても目立ってしまう上、他人に目撃される可能性が高く、不審者は大胆な行動に出ることができません。
また、住宅街などで人通りは少ないとしても、小売店舗などがあって人の出入りが頻繁にあるというような場合は、人に見られることを嫌う不審者には近寄りがたい環境でしょう。
さらに、街なかの防犯カメラの設置状況も確認しておくといいでしょう。マンション前でなくても、そこに至る曲がり角や道筋に防犯カメラあることで、不審者に対する抑止効果があります。
【マンションおよび周囲に死角がないか】
マンションのエントランス付近に身を隠す場所があると、誰かが出入りするときに乗じて建物内にうまく侵入できることがあります。また、1階のベランダや専用庭に入り込むために死角となる箇所がないか、などを確認しましょう。
意外なところが隠れ場所になることがあるため、自分がもしマンションに不法侵入するならばどこに身を隠すか、またどうすれば人に見られないのか、といったことを意識しながら外から見てみるといいでしょう。
防犯を意識した設備の確認
積極的に防犯を意識しているかどうかは、マンションの設備に端的に表れています。
【オートロック(テレビモニター付インターホン)】
マンションの築年が新しいほど、エントランスがオートロックになっている割合は高いです。また各住戸にはテレビモニター付きインターホンシステムが設置されていて、エントランスと住戸玄関で来訪者確認ができるようになっている物件が多いです。実際に顔を合わせずとも訪問客を画面で確認できるので、望まない客が建物に入ることを防ぎます。
今やオートロックの設置を希望する借主は多いので、マンションへの投資ならばオートロック付きの物件は検討の価値があるでしょう。
【監視カメラ】
マンション敷地内に監視カメラが設置されている場合も、防犯効果はかなり高いと言えます。エントランスだけでなく、共用廊下やエレベーターなど、必ず通らなければならない箇所に監視カメラが設置されていれば、犯罪行為の抑止力になり、入居者の安心につながります。
また、駐輪場やゴミ置き場などの共用施設は、死角になっていることがあります。そのような場所にもしっかりと監視カメラが設置されていることが理想です。
【管理員の業務状況】
エントランスに管理室などがあり、管理員やコンシェルジュが訪問客を直接目視できる状態にあれば、それだけで防犯性が高くなります。管理員が巡回や清掃などで席を外したり、退勤して不在になったりすることなどを考えると、オートロックが設置された上で管理員がいるという形が理想的です。
【郵便受け】
エントランスがオートロックの場合は、一般的には集合ポストは外からは郵便物を入れられるだけになっています。オートロックを解除して建物内に入ってから、郵便受けの裏側で配達物を取り出します。これにより他人に配達物を見られたり、持ち去られたりすることを防げます。個人情報を守る意味でも、以前より重要な設備かもしれません。
この他、夜間の防犯対策として、共用部分の照明の設置状況の確認はとても重要です。これまで見てきたように、侵入者の観点で都合のいい暗がりはないかを見ましょう。また、部分的には人感センサーで点灯するライトの設置も効果があります。
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